ブラック化を招きかねない10のポイント(1)
ブラック企業とかブラックバイトなどという言葉が一般的になっています。
言うまでもないことですが、圧倒的に多くの企業および経営者・管理者の方々は、自分の会社をブラック化する意図や計画をもって、仕事をしているわけではありません。法令を遵守するのはもとより、顧客・取引先や株主・社員および地域社会など企業に関係する人々の満足度をより高めようとして、日々仕事をされているでしょう。
しかし、ありたい企業のイメージ(ホワイト企業と呼んでみましょう)に近づこうとすればするほど、反対の方向に行ってしまう(その極限が「金のためなら手段を選ばず」という完全にブラックな企業でしょう)、そんな印象が近年、強く感じられます。
以下、当事務所及びその関係者が、直接または間接に見聞きした「(企業業績とは別に)問題を抱えている企業」のなかから、ブラック化してしまいそうなポイントを10項目にまとめて、ご紹介していきたいと思います。
もし、これらのポイントが自社に該当すると思われたら、たぶん、ブラック度はそれほど高くないと思います。ホワイトに近いグレーとでもいいましょうか。
というのも、自覚があるということは、まだ客観的に自社を見て判断することができる状態だからです。それができなくなってくると、本当にブラック化するおそれが高まっているのではないでしょうか。
ここで例として挙げているものは、当事務所の守秘義務に基づき、すべて業種や職務内容などを適宜、変更して書き換えていますので、実例そのものではありません。この点、予め、お断りしておきます。ご了承のうえ、お読みください。
まず始めに、10のポイントをご紹介させて頂きます。
1.事業戦略が外部環境の変化に適応していない(ことに気づいていない)
2.事業戦略に合った組織体制ができていない
3.仕事を効率的に進める仕組みがない
4.新たなITが導入されない
5.仕事の分担が極端に属人的
6.人材フローのマネジメントができていない
7.人材への投資が少ない
8.経営トップが専制的なマネジメント・スタイルをとっている
9.一種の身分制の下で仕事を個人に押し付ける
10.企業としての価値観が共通されていない
次回以降、順番にそれぞれのポイントをご説明していきたいと思います。
作成・編集:調査研究チーム(2015年3月6日更新)