リモートワークで評価するには(1)
コロナ禍でリモートワークが多くなるにつれて、評価に戸惑う声が多く寄せられているようです。評価を行う上司もされる部下も、従来の評価が必ずしも十分に機能しているとはいいがたい状況にある上に、互いに同じ職場の目の前にいないとなれば、適切に評価をするように求めること自体に無理があると言えるかもしれません。
もともとうまく機能していないものを表面的に取り繕って運用してきたごまかしが、リモートワークという環境変化で顕わになっただけ、との指摘も聞こえてきます。考えようによっては、その通りでしょう。リモートワークに限らず、企業の業績や資金繰りにしても、状況が厳しくなればなるほど、これまでの問題が先鋭化して吹き上がってくるのが必然です。
さて、評価のありかたを検討するには、一般には次のような事項について採り上げる必要があります。本稿ではリモートワークを行っている職場において、これらの事項がどのように変化し見直すべきところがあるのか、次回以降、順次検討してみたいと思います。
・仕事の定義
・仕事をする環境
・評価を行う人と対象となる人の関係
・評価を行うタイミング
・評価の基準
・評価制度の仕組みと運用実態のズレ
・結果の妥当性と納得性
・評価の公開性
なお、当サイトでは、これまでにも人事評価・業績評価を巡っていくつかのコラムをご紹介してきました(注1)。リモートワーク固有の問題を扱っているわけではありませんが、評価を巡る課題について広く言及しています。
作成・編集:人事戦略チーム(2021年1月25日更新)
【注1】
当コラムで過去に採り上げた評価に関するものは、次のようなものがあります。
「ひとり人事委員会」
また、目標設定や業績評価に関するものもあります。
評価を人材育成につなげる上での検討課題としてロールモデルを採り上げているものもあります。
評価を行う前提となるコミュニケーションのありかたについては、次のようなものがあります。
そして、職務の組み立てや仕事の定義などについて考えたものもあります。